WRO(World Robot Olympiad)とは、シンガポールサイエンスセンターの提案により、人材育成を目的として2004年からスタートした市販ロボットキットを利用した自律型ロボットによるロボットコンテストです。
現在アジアを中心としヨーロッパ、北欧など世界中の国々から子どもたち参加し各々ロボットを製作し技術を競うコンテストとなっています。
市販ロボットキットを利用することで、誰でもが参加しやすく、手軽に 科学技術の一端を身近に体験できる場を提供する事ができます。さらに国際的な大会であることで、勝ち抜いて世界中から選抜されたチームが参加する世界大会に参加する事によって事によっ て国際交流にも役立てることができます。
WRO発足当初から日本でも、シンガポールサイエンスセンターの発案を受け産学の有志により組織された実行委員会が、財)科学技術振興財団(科学技術館)の協力を得てロボット、組込みシステムをテーマとした子どもたちの科学技術への興味意欲の向上、ものづくり人材育成を目的に取り組み、現在NPO法人WRO JAPANとしてその活動の幅を広げています。
一般的なロボット大会は、事前にコースが指定されそのコースに特化した機体や制御プログラムの設計・制作を行い競技に臨みますが。WROの競技にとってそれはあまり意味をなしません。
WROの競技では当日発表される「サプライズルール」という項目が明記されています。
この「サプライズルール」は当日のルール追加/変更全般を指しますが、極端に言えば事前に告知されたコースと全く違うコースが提示される可能性がある。と言うとんでもない規則です。
現実的には、ターゲットの追加、場所、個数の変更などを想定していますが、このルールがWROの特徴を表しており、「状況対応能力」「現状把握能力」「設計力」そして一番重要な「チームワーク」を学ぶ事を目的としています。
WROでは場当たり的な対応で勝ち進むこと、またラジコンロボットのように勝敗の結果が一個人のスキルに依存することを目的としていません。
ものづくりの現場では昔の少数精鋭の人数で作業する職人とは違い、複雑で大規模な作業を多くの人の力を合わせ作り上げることが多くなっています。そのため、WROでは個人の出場を認めておらず、また3名以上のチームでの参加も認めていません。
これは、チームとして成立する人数が2名もしくは3名と考え、チーム全てのメンバーが選手として競技に参加することを要求しているからです。
そのため、コーチの扱いも他のロボット大会と大きく違い、どちらかと言えばスポーツ選手のコーチとしてのイメージが強く出ています。
あくまで競技をクリアするのは選手であり、コーチはそのサポーターと言う考え方です。
指示通りに行動することも必要ですが、WROでは、自分たちで問題解決することが最も重要と考えています。そのための当日朝発表される「サプライズルール」であり、WROの会場となります。
予選会では、比較的緩やかですが、全国大会、国際大会では、選手は隔離されておりコーチは一切のアドバイス、手助けはできません。ただその姿を見守るだ け。その中で選手は当日発表のサプライズルール対応含めた、機体の組み立て、プログラムを150分という限られた時間の中チームの選手だけで対応しなけれ ばなりません。
WROでは、難しい専門知識はいりません。やりたいという気持ちがあれば誰でも参加できます。そして、チームで力を合わせ世界の頂点を目指します!世界大会はシンガポール・バンコク・南寧・台北と世界各地で開催されました。
地区予選会、WRO Japan(全国大会。Bumb東京)と勝ち抜けば、国際大会に出場することができます!
■WRO参加者たちへのささやかなプレゼント
WROに参加して頂いた皆様に向け、開催側からささやかなプレゼントを差し上げることができます。
それは、目に見える物ではなく、高価な物でもありません。でも私たちからありきたりですが次にあげる3つのプレゼントを渡すことができると考えています。
一つ目は「ものづくりへの楽しさ」
誰でも取り組め、熱中することができます。専門知識は必須ではありません。
二つ目は「くやしさ」
どんな大きな大会でも優勝者は一人です。でも、その悔しさが次のバネになります。誰でも優勝する可能性があります
三つ目は「ともだち」
WROは様々な分野の方々が参加できます。普通の生活をしていてはなかなか出会うことのない人々、
WROに参加すればもれなく出会うことができます勝ち進んでゆけば、もしかしたら国際的なともだちもできるかもしれません。
これらが、参加者に負担をかけず気軽に参加しながら得ることができるWROの真のメリットです。単純なロボットの大会ではありません。
明日の世代を担う子供たち。その子供たちにできるだけ良い環境を提供したい。夢を持って頑張って欲しい。それがWROの願いです。